top of page

​医療メンターとは

古代の石の彫刻

メンターの由来

 メンターの由来は、古代ギリシャ神話にまで遡ります。
ホメロス叙事詩「オデュッセイア」の中で「メントール」
と言う人物が登場します。彼は、オデュセウス王の息子を
立派な王に育てた賢者として、広く伝承されました。
そのため、良き指導者、良き支援者を「メントール」に
ちなんで、「メンター」と呼ぶようになりました。

🌱 メンターとは 関係性の専門家
​〜人は関係性の中で育つ存在〜

 メンターとは、「自分らしさ」と「つながり」を育む専門家です。
相手が自発的に自分らしく人生に向き合えるよう、対話を通じてそっと伴走します。

多くの人はメンターやカウンセラー、コーチと聞くと、
優れた技術や知識を持った人を思い浮かべるかもしれません。
しかし、私たちが最も大切にしているのは「関係性」です。

よく「こんな人がいるけど、どうすればいいですか?」

質問されますが、その答えは「方法」ではなく「関係性」にあります。

 

たとえば――

  • 自発性がない人に対して「どうすればいいか?」ではなく、
    「自発性が生まれる関係性とはどんなものか?」を共に考える。
     

メンターとは、正解を与える存在ではなく、
「どんな関係性を築きたいのか?」を共に探求する存在です。

そして、私たちが大切にしている関係性は、こんな姿です。

  なんでも安心して話せる関係性

  成長のために自然と相手からアドバイスを求めてくる関係性

  辛い時や困った時に思いを共有できる関係性

  未来の目標を嬉しそうに語り合える関係性

このような関係の中で、人は自発性や創造性を取り戻し、
人生をより主体的に歩むことができます。

だからこそ、メンターとは「すごいスキルの持ち主」ではなく、
心がつながり、思いを語り合い、共に成長し合える――
そんな関係性を築ける存在なのです。

発芽植物
発芽植物
黄色の花

​医療メンターとは

医療現場に“対話とつながりの文化”を育てる支援者
医療メンターとは、医療や福祉の現場で、
人と人との“つながり”と“信頼”を支える専門家です。
患者・利用者・スタッフの声に耳を傾け、対話を大切にする中で、一人ひとりが自分の人生をよりよく生きるための選択や行動を、自らの力で築けるよう支援します。

医療メンターは、知識や技術だけにとどまらず、
「自らの在り方」を日々育み、人格的な土台をもって現場に関わります。
医療メンターは、医療の中に“つながり”と“成長”の文化を育てるとともに、生き方支援の輪を広げます。

医療メンターの臨床での役割

 医療メンターは、人の「成長」を支えることも大切な役割のひとつです。

スタッフへの関わり

 教育や成長支援において、人間が成長するために最も重要なのは、
どれだけ多くの「深くつながれる関係性」を持てるか、ということです。
医療メンターは、スタッフ同士の信頼を育み、

安心して学び合える関係性を支援します。

​ 

患者・利用者への関わり

 生活の質(QOL)は、特別なイベントよりも、

日々の丁寧な暮らしや、こだわりのある時間から生まれます。
そして、心の安らかさは「良い関係の人が何人いるか」に深く左右されます。

だからこそ医療メンターは、

  • 家族の関係性を支援すること

  • ケア従事者の人間関係を育むこと

  • そして時には、自らが「人的環境の一部」として関わること

を通じて、その人の生き方そのものを支援する存在なのです。

患者を支援する医療専門家
bottom of page